話題の映画「Go for Broke!—ハワイ日系二世の記憶—」を鑑賞してきました!

アロハ!

今日1月25日(土)、福岡市内にて映画「Go for Broke!—ハワイ日系二世の記憶—」の上映会が開催されました。以前、こちらの記事でも少しだけご紹介しましたが、この作品はハワイの日系二世の方へのインタビューを中心に構成されたドキュメンタリー映画です。

昨年日本で公開されて以来、多くの反響を呼び、今年も順次全国での追加公演が決定している話題作。今回、ラブハワイ九州もこの福岡での上映会に足を運んでみましたので、映画の内容と共にご紹介しますね。

 

 

会場となったのは、福岡市早良区にある福岡西南コミュニティセンター。西南大学内にある、200席ほどのホールです。

上映は11:00と15:00の2回公演で、今回私たちは15:00の回に入ったのですが、それぞれの回で上映前に地元福岡のハーラウによるフラの“奉納”がありました。

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「メレオハナ・オ・カホク」の皆さんによるフラの“奉納”

今までに各地で公演を行ってきた際にも、ほとんどの会場で地元ハーラウによるフラが披露されているそうで、どのお教室も作品の趣旨に賛同され、日系二世の方への敬意をフラの踊りによって表現されているそう。ハワイの美しさと華やかさ、そして優しさが感じられる踊りに心がゆっくりと癒されました。

 

フラの後は、本作の監督を務めた松元裕之監督より簡単なご挨拶があり、いよいよ作品の上映がスタート。

映画は、日系移民の歴史を辿るところから始まります。ハワイを語る上で欠かせないプランテーション時代に、日本から契約労働者として初めてハワイへ渡った移民たちが、まさに日系二世たちの親。

若くしてハワイに移り住み、見知らぬ土地で過酷な労働を強いられていた両親たちの姿を見て育った日系二世は「親の苦労を思えば、私の苦労は苦労のうちに入らない」と言います。当時彼らが小学生だった頃の生活の様子や、沖縄系移民への差別があった事実もあわせて、記憶をたどりながら、時に英語と日本語混じりのまっすぐな言葉で語られていきます。

 

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イオラニパレスで行われた出兵式に集合した日系アメリカ人、第442連隊の兵士たち

そして話は、日系二世たちが体験した第二次世界大戦へと結びつきます。

第二次大戦で彼らは主に欧州戦線にて兵士として活躍するのですが、ほとんどの兵士は両親や兄弟姉妹のために、自ら志願した者ばかりでした。本作のタイトルにもなっている「Go for Broke!(当たって砕けろ!全力を尽くせ!)」という言葉は、戦地で前を向いて果敢に戦い抜くための合い言葉だったそう。

インタビューの中で彼らが、当時の戦場の様子死にゆく仲間の最後の言葉などをまるで昨日のことのように語り、「今でも仲間のことは忘れていないし、絶対に忘れない」と何度も繰り返す姿がとても印象的でした。

以前から存在した日系人への差別は、第二次大戦開戦時の日本からの攻撃によりピークを迎えます。空から攻撃してくる戦闘機に日の丸を見たとき、日系二世の彼らはどれだけ複雑だったことか…その心情は私たちでは到底計り知れませんよね。

それでも、日系アメリカ人だけで結成された部隊第100歩兵大隊と第442連隊の活躍とその功績によって、社会の中での日系人の扱いは大きく変化していきました。

 

それから時代も移り変わり、ハワイの中で起業したり政界で活動したりする日系人たちも出てきて、彼らは経済的にもハワイの地に大きく貢献していくのです。それらの痕跡は現代のハワイにも根強く残っているものばかり。今私たちが安心してハワイに旅行し、滞在できるのは日系人たちの功績があってのことだということを、この映画をみて実感しました。

 

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上映終了後、松元監督が登壇しご挨拶され、映画を作ることになったきっかけや完成後の想いについてのお話がありました。その中で印象的な言葉がありましたのでご紹介させていただきます。

「インタビューをお願いする際、日系移民の彼らにこう伝えました。“現代の日本人が、日系二世の苦労や功績を知らないということは恥だと感じる。もっと日本人に真実を伝えたい、知ってもらいたい。”」

これは監督が日本から日系二世たち数十名を訪ね、インタビューをお願いしたときの言葉だそう。突然の訪問でありながらも、彼らはこの言葉をキッカケに作品制作に同意され、当時を振り返って真実を語ってくれたのだそう。

そして現代のハワイを築き上げた日系二世へ敬意を示すとともに、彼らの功績をもっと多くの人々へ広めたい、という松元監督の想いがたくさん詰まった映画なのです。

 

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激動の時代を生き抜いた日系二世たちも、現在は平均で85歳以上。彼らの口で語られる真実のストーリーと、当時の風景をそのまま切り取った写真や貴重な記録映像で構成されるこの作品は、後世に残していくためにふさわしい映画としてホノルル・フィルム・フェスティバルのハワイ・フィルム部門でBest of Hawaiiを受賞。

また、1,000本以上の作品が出品されるマウイ・フィルム・フェスティバルでもファイナリストに残るなど、日本とハワイ両国で高く評価されています。

 

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ハワイが好きな人、ハワイに行ったことのある人ならぜひ知っておくべき&その目で見ておくべき真実とオールド・ハワイの姿。この貴重な機会を逃したら、もう見ることはできないかもしれません。

次回、4月12日(土)には熊本県での上映も決定しています!熊本の次に九州エリアでの公開は未定なので、この機会に、ぜひ足を運んでみてください。詳細は下記HPで確認くださいね。

 

 

 

◆「Go for Broke!ハワイ日系二世の記憶」予告編(1分16秒)

 

Go for Broke! ~ハワイ日系二世の記憶~ Facebook
https://www.facebook.com/GoforBrokeHawaii

『Go for Broke!ハワイ日系二世の記憶』福岡上映会(写真をお借りしました)
https://www.facebook.com/goforbroke.fukuoka

NPO法人NAC-J(最新上映スケジュールはこちらから)
http://nacj.blog133.fc2.com/

 

 

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