震災を忘れない…九州から被災地を支援する「Remember 3.11 九州フラガールキャラバン隊」
2011年3月11日の東日本大震災から早3年。
復興に向け全国で様々な取り組みがされてきた中、今もなお一刻も早い復興を必要としている東北の地に、遠く離れた九州からハワイの文化であるフラを通じて被災地へ支援を続ける団体があります。
今回は、九州各地で復興支援のための募金活動を行っている「Remember 3.11 九州フラガールキャラバン隊」の取り組みについて、キャラバン隊の一員でもある辻原真美さんにお伺いしました。
九州のフラ愛好家たちで成り立つ「Remember 3.11 九州フラガールキャラバン隊」は2013年に本格的な活動をスタート。キャラバン隊として九州各地のイベントに出演し、被災地を支援するための募金活動に取り組んでいます。
集まった募金はハワイのNPO法人ハワイシニアライフ協会と提携し、被災地の子どもたちをハワイに招く活動に取り組む“レインボー・フォー・ジャパン・キッズ”に寄付されています。
— キャラバン隊の結成に携わり、福岡でフラ教室の先生をしている(右から)辻原真美さん、小坂さん、末次さん
「Remember 3.11 九州フラガールキャラバン隊」結成のきっかけは、辻原さんたちが映画「フラガール」の舞台にもなった福島のスパリゾートハワイアンズのフラガールたちが「フラガール全国きずなキャラバン」として福岡を訪れたときのステージを見たことがきっかけだったそう。
「福島から九州にもきずなキャラバンが来ると聞き『頑張って!』と応援したくて会場に足を運んだら、彼女たちは被災直後にも関わらず素晴らしい笑顔を浮かべていて、その姿に圧倒されました。応援しに行ったつもりが逆に勇気をもらったんです」と辻原さん。
それから半年後、3人が集まった時に「個人では小さな力でも、みんなが集まって行動することで被災地へメッセージを送ることができるのでは?」と話し合い、最初は2つのフラ教室によってキャラバン隊を結成し活動をスタートさせました。
— 今までに参加したフラガールたちの名前が書かれた横断幕は東北への“架け橋”となる虹をモチーフに
そして福岡をはじめ各地で様々なイベントに出演するようになると、ステージを見た人からその場で「私たちも入れてください」「手伝わせてください」という声がかかり、被災地を支援したいという同じ想いを持ったフラダンサーたちが、教室の垣根を越えて集まってきたそうです。
昨年一年間だけでもなんと総勢1,000人のフラガールたちがキャラバン隊としてステージに立ち、現在では福岡、長崎、佐賀、熊本のキッズからシニアまで幅広い世代が参加しているといいます。
— 辻原さんとスパリゾートハワイアンズの畠山さん(中央)、ハワイシニアライフ協会のヒル真知子さん(右)
10月18日・19日に福岡の百道浜で開催された「RKBハワイまつり2014」にキャラバン隊が出演したこの日は、スパリゾートハワイアンズから畠山さんと、ハワイで“レインボー・フォー・ジャパン・キッズ”に取り組むNPO法人ハワイシニアライフ協会のヒル真知子さんが、東北の現状、そして寄付後の活動報告も兼ねてゲストとして登場されました。
畠山さんはスパリゾートハワイアンズの現状として、来場者数は震災前に戻りつつあるものの、未だ福島の特産物や海産物に対する風評被害があり、それらに懸命に立ち向かっていることをお話しされました。
そしてヒル真知子さんは、現在までに“レインボー・フォー・ジャパン・キッズ”で何十名もの被災地の子どもたちをハワイに迎え入れたことと、その時の子供たちの様子をお話しされました。先日ご自身も被災地へ足を運ばれたそうですが、仮設住宅に住んでいても子どもたちは皆元気で、ハワイに来たことによって世界に目を向けることができ英語検定を受けたり海外に留学したり、また地元に戻り自ら復興の手伝いをしようとする子もいて、未来の明るい子どもたちが東北ですくすくと育っていることを教えてくれました。
— 日本を元気にする赤と白のカラーで想いを届けます
九州フラガールキャラバン隊で彩られるステージで披露する曲は、映画フラガールから「フラガール〜虹を〜」と「花は咲く」の2曲。そのためキャラバン隊としての定期的な集まりはほとんど無く、各自で振りを覚え、イベントがあれば集まるというスタイルなので、どこに住んでいても参加しやすいのが特徴。
もちろんフラ初心者の方でも参加OK!要望があればキャラバン隊がボランティアとして九州内に出向き、振りを教える機会を設けているそうですよ。また、近日中には「Remember 3.11 九州フラガールキャラバン隊」として被災地を実際に訪れ、スパリゾートハワイアンズのステージでフラを披露する計画もあるそう。参加してみたいという方や活動について気になる方は一度、キャラバン隊のステージを見に行かれてみてくださいね。
「募金活動も大切な支援の一つですが、何よりも私たちが目的としていることは、震災があったことをこれからも決して忘れないこと、そして応援のメッセージを送り続けている人たちが九州にもたくさんいるということを知ってもらうことです。当たり前の毎日に感謝しながらプラスαでフラを楽しんでいる方、私たちができることで被災地を応援しませんか?これからも同じ想いのみなさんと九州で輪を広げていけたら嬉しいです」と辻原さん。
毎日“当たり前”に生活できる幸せの中で、震災や復興支援についてあらためて考える機会と「メッセージを送り続ける」ことの大切さを教えてくれた、辻原さんをはじめとするキャラバン隊のみなさん。
震災で起きた出来事や記憶をいつまでも風化させることなく、一日も早い復興を願って私たちにもできる支援をこれからもずっと続けていきたいですね。
レインボー・フォー・ジャパン・キッズ
http://www.rainbowforjapankids.com/